フェラン・セギュールの最新技術

Saint Estèphe vineyard

Greenseeker(グリーンシーカー)

シャトー・フェラン・セギュールではスイス製の最新鋭システム「Greenseeker(グリーンシーカー)」を導入。栽培責任者は、通年にわたってブドウ畑の樹勢を調査・分析する作業に役立てています。同システムは、ストラドルトラクターに取り付けて使用。GPS衛星からの位置データを受信利用し、そこから算出される正規化植生指標(NDVI)と呼ばれるデータを解析することで、植生の活性度を測ることができます。こうして作成される分布図により、リアルタイムでブドウ畑の生育状態を確認でき、課題把握・意思決定ツールとして役立てられます。植物の栄養状態を正確にモニタリングし、通年にわたって樹勢の変化に応じた的確な措置を実施。窒素栄養状態の診断も可能です。施肥管理や畑への各種措置、剪定や除葉など、植物生育サイクル中の様々な作業の決定にこれらの情報が利用されます。
最大の山場である収穫時期には、2012年10月に初めて、活性度を参考に区画を細分化して再編。もちろん熟度も考慮の上、あらたなタンク構成で作業を行なっています。

これは長期的視点に立ったプロジェクトでもあり、土壌分析データが刷新されるとともにプロジェクト自体も見直され、ブドウ畑の生態のさらなる理解に役立てられます。
環境保全の観点からも、農薬の使用削減をめざすレゾネ農法と方向性は一致します。シャトー・フェラン・セギュールでは、Ecophyto 2018(フランス政府が推進する農薬削減プラン)が設定する50%削減という目標値を既に達成しています。とりわけ効果的だったのは生物工学的手法を用いたフェロモン交信かく乱剤の導入で、農薬の使用はたちまち表舞台からの撤退を余儀なくされました。